【寄稿№34】別府だより(8) | 東京駅・茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

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    <2023.2.20寄稿>                                           寄稿者 カッパ 
    別府八湯のひとつ亀川温泉は、大分空港から別府への入り口にあたります。
    そこに高橋さんという女傑がいらっしゃるのです。彼女を知ったのはテレビの番組です。
    「亀カメ倶楽部」という街歩きの会を紹介して放送していました。その会の代表です。
    毎月第一日曜日10時に亀川のJA前に参加したい人が集まり、会費千円を払います。
    リピーターが多くて皆勤の方もいるのです。もう20年も続いています。それも毎月!
    (コロナで少しお休みしましたが。)
    その日のテーマに合わせてランダムに散策し、12時には参加者みんなで昼食をとります。食事は会員婦人達の手作りです。
    私は驚愕しました。亀川は小さい街で、どこをそんなに案内するのかしらと?
    すぐに連絡して飛んで行きました。いろいろお話をお聞きしました。一年分を全部まとめて年末に作成する、まず計画性、人をまとめ導くリーダーシップ、おおらかで温かいお人柄と、納得しました。それがご夫婦ともなのです。蛍の復活のための川の整備をされていたり、二人三脚で亀川の街起こしです。
    令和2年2月の会で、参加者に抹茶を出してほしいということで、キャリングカートに茶碗などお道具を入れ出かけました。
    その日の参加者30人ほどが、倶楽部会員の先導で集会所へ戻ってきました。昼食はおうどん、会員の方達がてきぱきと提供します。そのあとにお菓子が出され、抹茶を点ててお出ししました。
    良い経験になりました。要請があれば、この形態でどこへでも行けます。
    お会いして4年経ちます。残念ながらご主人様は亡くなられましたが、コロナを経て彼女はますますパワーアップしていました。
    『鬼滅の刃』にあやかり、亀川の八幡竈門(かまど)神社に参拝ツアー、空き家を借り受け「亀の子茶屋」を始めたり。本当に飽きさせない、おもてなし数々の極意!
    昨年の12月会は、北九州の先生(NPO法人北九州「魚部(ぎょぶ)」)が発見された、絶滅していたと思われていた「オンセンゴマツボ」貝を見る会でした。亀川の住宅街の側溝に生きていたのです。中学生二人も加わり、探して歩きます。どこも温泉が流れていて、36~40度位あります。ほんのごまつぶの大きさの~~、ありました!よく発見されたものです。
    亀の子茶屋に帰り、スライドを見てのレクチャー。昼食は名物だんご汁、コーヒー、おぜんざいまで。
    携帯での来客の知らせに大急ぎで帰宅します。バス1時間に2本!
    私は店通りでのマルシェをしたいと思っています。各店舗には同意を頂きました。その参考にと、12月15日は亀川の「亀の子マルシェ」を見学に行ったのです。毎月15日に開かれます。ここでは、5百円でお昼を手作りして出していました。婦人ボランティア「いちご会」の10数人で作っています。これをまとめているのも高橋さんです。10余年も続いています。
    作ったお弁当は、周りのお年寄りにも配達しています。お花や野菜を売っているのは、APU立命館大の学生達、農業を勉強していて地元の方に指導を受けているそうで、種代になるようにと高橋さんが誘われたとか。お惣菜を売っているご婦人、柑橘類も美味しそう。出店は無料です。みな完売でした。
    その中に、温泉の取材をしていますという男女の方二人がいました。
    高橋さんに、「これから秘湯にいくんだけど来る?」と、私も誘われたのです。
    もちろん断る手はありません。別府では車がないと行動が制限されます。公共交通では大変不便で、どこにも行けないのです。トヨタさん、早く自動運転車を完成させて!
    老人に免許返納ばかり求めていては、車も売れなくなりますよ!
    車はどんどん山に向かって走ります。鉄輪(かんなわ)温泉、明礬(みょうばん)温泉湯畑、ホテルANAインタ-コンチネンタルも通り過ぎました。山の頂上付近に、農家がありました。湯の里温泉です。車を降り、歩いて坂を下ります。
    銀色の地熱発電装置と大きな農家があり、納屋が受け付けになっていて、とてもひなびています。地熱発電はその地区の電力を補っているそうです。
    高橋さんのご主人様が大好きな場所だったそうで、記念の色紙に「あなた来ましたよ」と!

    廃墟のような私のビルは芸術家を刺激するのでしょうか。
    金沢美術工芸大学のよしだぎょうこ先生が昨年末見学に来られ、生徒の作品展会場に使いたいと申し込みを受けました。それが2月16日から20日まで全6室二階のテラスも使って、芸術学専攻「現代美術領域 政策と理論」 ー 映像・立体・インスタレーション ー と題して開催されました。NPO法人別府プロジェクトが協力しています。
    15日に美術科芸術学専攻2年生13人と、よしだ先生が金沢からやって来ました。その日はとても寒く冷たい風が吹き荒れていて、「別府は暖かいと聞いてきたのに寒い寒い」と皆震えていました。早速ショウガ飴湯を作り差し入れです。
    トラック便で資材が運ばれてきて、「内面をのぞきこむ」をテーマに作品を制作していきます。見学している私に先生がそっと近寄ってきて、「来年もここを使わせてほしい、こんな良い場所はない」ですって。勘弁してください! 1年後も空き家同然だなんて、齋藤社長に叱られる〜

     


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