【寄稿№80】不動産取引って怖い | 茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

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    <2025.3.19寄稿> 
    寄稿者 ふんふん武丸
    先日、普段あまり連絡をとりあわない身内の一人から「中古の家を買おうと思ってるんだけど、不動産に詳しいって聞いたからいろいろ相談していい?」という連絡があった。
    こういうのがあると、うわー来たなー、と心底しんどいというか気が重くなるのだが、私のところには時々こういう相談がきてしまうことがある。
    なぜなら私の母親が悪いのだ。自他ともに認めるコミュ力おばけの母親が、だれだれさんが家を買うとか借りるとかを聞きつけてくると『それならうちの娘がね~』と、不動産会社に勤めていただの宅建持ってるだの言いふらしてしまう。

    もちろん、お役に立てるものならお役に立ちたいが、もう不動産業界から何年も遠ざかってるし、宅建の知識なんてもう脳みそにうっすらとしか残っていない。そういったことを伝えて、そこまで詳しくないしお役に立てないと思うので申し訳ない、といったんお断りは入れてみるものの、これがまた相手はぜんぜん容赦してくれない。「全然わかる範囲でいいよ~」とか言いつつ、この物件は大丈夫?この不動産会社は大丈夫?この工務店は大丈夫?とたたみかけるように質問がとんでくる。

    大丈夫かそうでないかって、かなり怖い質問だ。そこを断言した瞬間その責任を負わなければならなくなるからだ。いや知らねーし、って言ってしまえばラクだけど、さすがに一定の誠実さは出したいので、自分なりに一応調べたりしたうえで、ネットにこう書いてあったよ~と、YESともNOとも言わず、あくまで決めるのはそっちだからね感を出していく。と同時に、あくまでこっちもネット見ないとわかんないからネットで調べてほしい感も出させていただく。

    聞く方からしたら、人生の中でも高い買い物をするわけだから、誰かからお墨付きをもらいたいというのはあるだろうし、自分だけの責任は負いたくないという思惑もあるだろう。こんな、過去にかじったことある程度の自分ですらこういったニーズがあるくらいだから、今現在不動産会社にお勤めの方なんて、ずっと知り合いだったり身内だったりからこうやっていろいろ聞かれたりする機会は多いんではないだろうか。顧客と不動産会社という関係性だったら、営業という枠組のなかでのやりとりになるので、「ここは大丈夫ですよ!」という言葉は比較的重くはない気がするが、知り合いとか身内とかになってくると、信じていいんだよね?というプレッシャーがそれだけ強くなる気がするので、大変だな~と思ってしまう。

    ところで「この物件大丈夫?」という質問は細かく砕いていくとこういう感じだ。「ハザードマップでは○○のランクになってるけど、これって大丈夫?」「この間取りの使い勝手は大丈夫?」「日当たりは南向きじゃないけど大丈夫?」「駅から徒歩16分は大丈夫?」「居住中になってる場合は引き渡しってどうなるの?」「築○○年のマンションの耐震性って大丈夫?」「マンションと戸建てってどっち選ぶべき?」「内見で気を付けた方がいいことって何?」…ここに書ききれないほどあるのでこの辺でやめておきたい(笑)
    こういった情報なら、ネットでも本でもいくらでも取れるんだけどな~というのが正直なところ。しかしそこには、自分で調べるのは骨が折れるし、そもそも何から手を付けたらいいかわからないし、不動産営業の話は鵜吞みにできないし、というのがあるようだ。「知り合いに不動産関係の人がいたらまずそっちだ」という思考が働くのも無理はない。利害関係なしに相談できる窓口ってないんだろうか。あったらそっちを紹介したいものだ。不動産取引というのは何もなじみがない人にとっては、株や投資に手を出すのと同じように、多くの知識が必要で怖いものというイメージがあると思う。

    あともう一つおまけの話で、過去にもらった質問にこういったのがあった。「地方のアパートを買って不動産収入を得るノウハウ本を買って読んだんだけど、面白そうだからやってみようかなと思って。このアパート物件が安くていいんじゃないかと思うけど、どう思う?」
    こういうのって、どこに相談すりゃいいんだろうね(笑)というか、全くの素人さんに面白そうだからやってみよう、と思わせるノウハウって何なんだろう?
    その物件は、地方の、本当に田舎町の、築年数もかなりいってる木造2階建てのアパート。さすがに私にはそのノウハウが想像つかないのでお答えできないが、収益が見込まれる物件ならとっくに専門の業者なりプロなりに目をつけられている気がしたので、いつまでも売れ残っているようなら危険かも、なんてことだけ伝えた。

    とりあえず母親には自分が不動産に詳しいなどともう他所で言わないよう口止めしておかないといけない。常に情報をアップデートしていかなきゃならないのと、大丈夫かそうでないかを答えていかなきゃならないその業界の方々ってホントに大変だろうな。つくづく尊敬する。


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