思うところ79.「ディスポーザー」 | 東京駅・茅場町・八丁堀の賃貸事務所・SOHOのことならオフィスランディック株式会社

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  • 思うところ79.「ディスポーザー」




    先日帰宅したら、深夜にも拘らず高圧洗浄車がマンション裏口に横付けされていた。それを横目に首を傾げながら我家の玄関前に到着すると「階下で排水管洗浄をしています。水を使わないで下さい!」との貼紙が玄関扉にあった。やむなく踵を返して(事情を尋ねる為に)フロントに出向くと「階下の住戸の(ディスポーザー付)キッチンシンクから雑排水が逆流して溢れ出している。緊急事態だから(断水に)協力して欲しい。」とのことだった。マンションの構造上協力するしかないのだが、昨年も似たような排水トラブルがあった住戸だ。今回は、油汚れの「詰まり」らしい。居住者の知識不足なのだろうか、マナー違反なのだろうか・・・。

    よくよく考えてみれば、新築分譲マンションの重要事項説明会でも「ディスポーザー」の使い方について詳細な説明をする場面に出くわしたことが無い。中古マンションの重要事項説明の場においても「(竹の子の皮等)繊維質の多いゴミ、(蛤・サザエの殻等)硬いゴミは粉砕処理できませんからご注意を。」程度の注意喚起をする宅地建物取引士は比較的優秀な方である。(多くの説明者が「取説(トリセツ)を良く読んでからお使い下さい。」のみ)そもそも販売スタッフ仲介人が実際に使ったことが無かったりする普及率の低い設備だから説得力に欠ける。また、新築分譲時は、沢山の設備取扱説明書が交付されるから、買主が全てを熟読して完全に理解することは難しい。

    「ディスポーザー」なるものを再確認しよう。日本語的には、「(備付)生ゴミ粉砕処理機」である。キッチンシンクの排水口に設置された「ディスポーザー」は、ブレード(=刃、但し「ハンマー」の役割)が付いた粉砕室(生ゴミを投入して粉砕する空間)に、生ゴミを入れてから作動させ、水を流しながら排水する。食後の生ゴミ(野菜クズや魚の骨等)を流すことができるから、その臭いに悩まされずに済むし、ゴミ置場まで出向く手間も軽減できる。粉砕された生ゴミは直接下水管に流れるのではなく、キッチンの雑排水と共に敷地内(殆どが地下)に設置された処理槽に一旦集められ、処理槽内でバクテリアの力を借りて分解処理してから公共下水道に流し込む。高層マンションには「各階ゴミ置場」と共に欠かせない、とても便利な設備なのである。

    冒頭の「詰まり」の原因を管理員がわざわざ「長年の油汚れの蓄積で」と表現したことから、管理組合手配の定期的な高圧洗浄作業につき、当該住戸の居住者が長期に渡って非協力的であったことが疑われる。年一度程度の排水管高圧洗浄作業ながら、「仕事を休んでまで立ち会えるものか!」と頑なに拒否する人が多い。代わりに立会いを頼める人がいない等、それぞれに事情があることも分らぬでもないが排水トラブルが発生してから反省しても遅い。

    正しい設備の使用方法は、「なぜそうであるのか」を知ることが重要である。処理槽内の「バクテリア」の存在を知っていれば、それを死滅させる程の薬剤(漂白剤等)を投入することを思い止まるはずである。一部にゴム製品が採用されていることを知っていれば、大量の熱湯を流して設備を傷めることも無くなる。ディスポーザーのブレード(刃)が、「カッター」ではなく「ハンマー」だと分ってさえいれば、停止時の粉砕室に手を入れることを躊躇することは無い。また、(1週間に1回程度)氷を投入して粉砕処理することが合理的な洗浄方法であると知り、「酸」の力を理解する人ならば、薬品など用いなくとも氷にレモン汁や酢を加える併せ技を思い付く。割り箸や爪楊枝、貝殻等の硬いものが「噛み込み」の原因となることを知っている人は多いが、「卵の殻・生米」は粉砕できても排水管内に堆積してしまう「(分別廃棄すべき)厄介もの」であることを知っている人は少ない。

    冒頭の排水トラブルを起こした人も、住戸内(専有部)の排水管が横引管だとしても、上下階(共用部)は竪管で繋がっている建物構造をもっと深く理解すべきだった。縦列全住戸の協力なくしては、適切な高圧洗浄作業など成立し得ないのである。お互いが気持ち良く住もうとする「良識」と設備に対する少しばかりの「知識」があれば、視野狭窄とも思える利己主義で他住戸に迷惑を掛けることは無くなるだろう。

    共同住宅にお住まいの皆々様、家主・管理組合建物管理会社から、「排水管高圧洗浄作業」の案内があったならば、万障お繰り合わせの上ご協力の程。


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