思うところ81.「一所懸命」 | 東京駅・茅場町・八丁堀の賃貸事務所・SOHOのことならオフィスランディック株式会社

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  • 思うところ81.「一所懸命」




    <202.8.3記>
    当社の基本方針は、少数精鋭にして総合不動産業(全分野を網羅)を目指すが為に、経済理論で言うところの「選択と集中」の結果、「地域密着(エリア限定)」となる(ならざるを得ない)ことをホームページの本コラム欄で幾度となく述べてきた。街の不動産会社が「不動産の事なら何でも、何処でも」を喧伝していたら、その実績を問い質してみた方が良い。回答に窮して「虚実」が明らかになると思う。しかしながら、実際に当社のホームページで物件検索をしてみると少しばかり違和感を覚える方がいるかもしれない。なぜなら、遠隔地の物件が度々広告掲載されることも事実だからである。だが、それぞれに事情があり、言行不一致の類ではないことを明言しておきたい。

    もっとも遠距離の成約事例となったのは、「長崎のハウステンボス居住区の別荘(お手伝いさんが住込む豪邸)」である。これは、中央区日本橋本町の中古ビルの売買を成立させた「流れ(縁)」で、当該ビルの売主から遊休不動産の売却を「特命」として受けたものである。大きな仲介手数料を頂戴した直後にあって折角の売却(仲介)依頼を無下にできなかった事情もあるが、地元や大手の不動産会社に依頼することなく、(「無茶振り」の感があるも、)取引の「縁」を重んじて当社に任せんとする心意気が嬉しかった。対象物件があまりにも遠隔地ゆえに当該別荘地の専門会社に協力(客付)を要請し、意外にも早期契約の運び(別荘地内の買替で商談が「トントン拍子」)となったことで成約顧客の期待と信頼に応えることができたように思う。遠隔地の物件であっても両手仲介に拘ることなく仲介会社が協力すれば、円満に取引が成立する実例でもある。

    当社が港区南青山に賃貸管理するビルは、前述「日本橋本町の中古ビル」の買主(法人)からそのビルの賃貸管理を請け負って暫く後、追加して賃貸管理を受託することとなった。当社の最寄駅は、東西線・日比谷線「茅場町」駅であるが、半蔵門線「水天宮前」駅にも徒歩6分程度の近距離にあり、そのビルの最寄駅である半蔵門線「表参道」まで8駅(乗車時間18分)だから、当該地が地元とは言い難くとも、スタッフの移動に要する時間のみで判断すれば賃貸管理の可能エリアとして何ら矛盾しない。貸主が個人であれ、法人であれ、同一人ならば、賃貸管理(主にテナント募集・出納業務)にスケールメリットが生まれる。賃貸管理の窓口一本化は委託者・受託者双方にとって有益なのである。

    八王子の一棟売りマンションは、中央区京橋の司法書士から売主を「紹介」されて売買仲介した。債務整理を急ぐ売主の意向を汲んで価格面よりも早期決済(換金)できる買主(投資家)を推した。代わりに同建物内に住まう売主の居宅部分と駐車場1台分をそのまま一定期間割安の賃料で借り受けられるよう(部分的リースバック方式で)取り纏め、債務が解消できたとしても新居の確保と引越費用に悩んでいた売主から大いに喜ばれた。その売主を紹介してくれた京橋の司法書士は、事務所を郊外に移した現在も当社の法律顧問に就任して頂いている。

    成田の中古ビル(成田駅徒歩15分、住居表示は「富里市」)は、当社が賃貸管理(管理物件:中央区日本橋兜町の分譲マンション複数戸)を請け負う法人顧客に研修施設としてご購入頂いたものであるが、そのビルの低層階に残った店舗群の賃貸管理の依頼については丁重にお断りした。緊急事態の発生時にスタッフが急行できる距離ではないからである。信頼関係を失わない為にも時としてお引き受けしてはいけない仕事もある。(現在、更新契約手続きのみ受託)せめてもの誠意として当該ビルのリフォーム工事につき、当社の専属大工を2ヶ月もの間、自社物件の工事を中断してまでも当該地に送り込んだ。(泊まり込みを伴う派遣)当社の営業を通さずに、施主の希望を大工が直接聞いて「現場合わせ(設計図無し)」で行う工事は互いの信頼関係なくしてはできない異例の工事請負方法であった。

    この度取得した「南埼玉郡」の土地は、当社から徒歩圏の江東区福住の借地(隣駅「門前仲町」駅徒歩5分)と一体不可分の取引(所謂「抱き合わせ購入」)であったし、富士桜高原(山梨県南都留郡)の格安別荘地を広告掲載したのは、当社社員の親御さんの所有物件であり「損得勘定抜き」の取扱い(血縁)だからである。意外なエリアの取扱いの背景には、何らかの「縁」がある。「地縁」のみならず、人の「縁」こそ大切にすべきものと思う。

    「一所懸命」と「一生懸命」は、命懸けで物事に取り組む姿勢を表す同義語であり、どちらも間違いでないとされる。しかしながら、おそらくは類音の誤記・誤用が発端となって知らぬ間に定着して併用されるに至ったものと考えられる。本来は、「一所懸命」が正しく、中世(鎌倉時代)に武士(御家人)が領主から賜った封土(領地)、その只一箇所を一族が生き抜く為に命懸け(懸命)で守り抜こうとした質実剛健なる姿勢を表している。当社も「縁」を大切にしつつ、会社設立以来「一所懸命」であることに何ら変わりはない。


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