思うところ132.「アドバイス」 | 東京駅・茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

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  • 思うところ132.「アドバイス」




    <2022.10.1記>
    今回は不動産業に携わる若手営業マン向けの些細なアドバイスで初級編。業界歴30年超、還暦近くの私(58才)ではあるが、ベテラン営業マンにまで説教じみたアドバイスをするつもりなど無い。既に当り前のこととして実践していることだろうし、上から目線の助言など疎ましく思われるに違いないから。

    振り返ると今年の夏も暑過ぎた。残念ながらこの異常な「暑さ」は一過性のものではなく、きっと来年もこの「暑さ」に悩まされることになるだろう。地球は今、歴史的な気候変動転換期の渦中にあるのだと思う。だから、夏場に空室の中古マンションを案内する時は、ほんの細やかな心配りに過ぎないが現地に少し(20~30分程度)先回りして販売住戸の冷房を効かしておくと良い。(冬場も同じこと、先回りして部屋を暖めておくと良い。)勿論、自社物件ならともかく、それを当然のように実行するのは良くない。あくまでも販売促進の為にすることであって、電気の無駄遣いではないことを売主様に十分に理解して貰っておく必要がある。(法律上「電気は財物」と見做される。)その上で、どんなに暑くとも(寒くとも)約束した時刻の5分以上前に待ち合わせ場所(多くは、最寄駅や現地エントランス)に待機するのが良い。なぜなら、お客様が早めに到着することも間々あることだから。尚、駅から徒歩で案内する時は営業マンが車道側を歩くべし。当然のビジネスマナーであるがその精神は武士道や騎士道に通ずるものだ。

    初めて案内する他社物元(情報元)の物件なら、もう少し早めに到着して周辺環境や共用部を見ておいた方が良い。その積み重ねで培った知識が将来の営業に活きるだろう。主要営業エリア内の物件知識は豊富なればこそ自信を持って説明できるというものだ。物件の説明を物元(売主側)業者に全て委ねてしまう営業マンもいるがお客様はどう思うだろうか。その消極的な営業姿勢が原因で信頼を失うかもしれない。しかしながら、物件の知識が無いにも拘わらず的外れな説明をするくらいなら、その物件を熟知している物元営業マンに任せた方が良い。他人の褌(ふんどし)で相撲を取るような営業は見苦しいが、そうかと言って独り相撲であってはならず、時に相手の力を借りることや引き出すことも必要である。売らんが為の口数よりも知りたいことだけを的確に回答して貰いたいと考えるお客様は思いの外に多い。即答できない事項であれば、すぐに調べて報告すれば良いのであって憶測に基づく無責任発言をしてはならない。

    コロナ禍」という時節柄、案内時には使い捨てスリッパを携帯しておくと良いだろう。他人が履いた案内用のスリッパが敬遠される傾向が時折見受けられるからだ。そんな時、漫画ドラえもんの見せ場のように鞄からサッと必要数を出せたならお客様もきっと感心してくれるだろう。我々が頂戴する報酬額からしてみれば、1足100円もしない経費(纏め買いすれば1足80円前後)でお客様に気持ち良くご見学頂けるのならば惜しむべきものではないと思う。

    一昔前、ある不動産会社の統括責任者が部下全員に髪型(整髪料でテカテカに固めたオールバックか七三分け)、服装(紺かグレーのスーツ、白いワイシャツ限定)、必須携帯品(100円ライター)を強制していた。信じられないことに言動や行動パターンまでもが画一化されており、集団になるとカルト教的な雰囲気を纏って少し気持ち悪かった。経営者、管理職、それぞれに独自のポリシーがあって良いとは思うものの、お客様に不快感を与えない限りにおいて営業マンは個性豊かであって良い時代だと思う。

    ステレオタイプの営業マニュアルよりも、もっと大切にしなければならない何かがあるはずだ。コラム№69(EQ)でも述べた通り、IQ(Intelligence Quotient=知能指数)よりもEQ(Emotional Intelligence Quotient=感情指数≒心の豊かさ)の重要度がますます注目されることになるだろう。

     


このコラム欄の筆者

齋藤 裕 (昭和39年9月生まれ 静岡県出身)

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