思うところ１５３．「役立つ性格分析」 | 東京駅・茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

思うところ１５３．「役立つ性格分析」

＜2023.8.17記＞
ある「性格分析」の基本的な考え方を紹介したい。不動産業においては、チーム編成やクレーム対応に役立つと思う。また、その性格の組み合わせの良し悪しや適性を理解しておけば、私生活においても「この人とは妙に気が合うな」とか、「この人とは生理的に合わない」といったその理由が何であるかに気付くかもしれない。但し、30数年も前に私が就職直後に受けた新人研修における自己診断テストを出典としており、その記憶の欠片を掻き集めて要点だけを述べるに過ぎない。心理学者でもない私が偉そうなことを言うつもりはないのだが、振り返ると何かと役に立った性格分析（分類）である。

まず、本コラム挿絵のように円を描いて中心点を通過するよう十字に縦軸と横軸の線を引く。縦軸上段を「Adult＝A」、縦軸下段を「Child＝C」と点対称に位置付ける。「A」は良く言えば「冷静沈着」、悪く言えば「冷めた人」の象徴。「C」は良く言えば「天真爛漫」、悪く言えば「幼稚」の象徴。次に横軸左端を「Mother＝M」、横軸右端を「Father＝F」と点対称に位置付ける。「M」は良く言えば「温厚」、悪く言えば「脆弱」の象徴。「F」は良く言えば「剛腕」、悪く言えば「強引」の象徴といったところ。語弊もあろうが便宜上のネーミングとご理解頂きたい。（紙面の都合上、）解説が大雑把にならざるを得ないので、この挿絵から私の言わんとすることをイメージして貰った方が良いと思う。

本来は膨大なアンケート項目を矢継ぎ早に（＝熟考させずに）浴びせ、その集計データを基にその人がA・C・M・Fのどれに偏っているかを分類するのであるが、その質問項目のノウハウは私には無い。だから己の心眼を以て対象者がどの位置に該当するかを仕分けして欲しい。社会的動物である人間は本能的に他人のことを客観視しているはずだ。例えば、クール・冷徹な人だと思うならA、わんぱく・お茶目な人だと思うならC、穏やか・優しい人だと思うならM、強いリーダーシップを感じる人ならF、といったように。円の外輪に近づく程にその性格が色濃いことになる。

Cを中心に解説する。MとFは中庸であるのに極端にCに偏った人ならば所謂「駄々っ子」かもしれない。そんなCだとしても他のタイプに無い独創性や突破力を期待して難局の打開を任せるなら、バランス感覚に優れたAM（Adult＆Mother）かAF（Adult＆Father）に補佐させると良いと思う。真逆のAと組ませるのも悪くはないがCの子供じみた行動にAが疲れてしまうかもしれない。Aを投入するならCが極端なクレーマーの時だろう。幼児性あるCの苦情をやんちゃなスタッフCに解決させようとすると子どもの喧嘩になりかねない。やはり、冷静に理詰めで解決できる管理職Aが適任だろう。明らかに客側Cに非があって諭すような解決方法が望ましい局面ならば、知識と経験が豊富なMとFのどちらでも適任だと思うが、その諭し方はMとFでは対照的なものになるはずだ。無難な対応ができるのはAM、AFだと思う。

A・C・M・Fのどの性格が優れているということではない。人は性格分析上何らかの偏りがあるものだから、組み合わせによってより良い関係を生み出せることに注目して貰いたいだけである。集団の大多数がAF・AM・FC・MCで構成されるにしても、ごく少数で良いから個性的A・C・M・Fが存在することによって集団は活性化する。纏まりも大切であるが時として多様性も必要だからである。この分類は恋愛でも活用できるだろう。程々の似た者同士はともかく、極端に同じ性格の者同士は良好な関係の持続が難しいかもしれない。ある程度は点対称の位置関係にあった方が良いのではないかと思う。人は弱点を補完し合うよう巡り会うものだと信じたい。

さて、私が受けたその無記名式の自己診断テストの結果だが、集計後にその研修を運営していた人事コンサルティング会社のスタッフから「これを書いた人は誰ですか？」と挙手を求められた。すると、「この人はとても珍しい人です。」との説明があった。なぜならば、分析結果が円の中心点を指していたからだ。大人でもなく子供でもない、母性が強いわけでも父性が強いわけでもない人って？（又は、大人でありながら子供、母性も父性も同等に強い？？）もしかすると私が苦手に思う人がいないのはそのお陰かもしれない。人は私をどう見ているのだろう。人のことは良く分かるのに自分のことは今一つ分からないものである。